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コラム

銅と亜鉛の関係

20190820_takanawakensa.jpg銅と亜鉛の検査は、銅と亜鉛の比率で、銅の比率が一定よりも高くなると着床への影響が懸念されることから子宮内膜関連の検査としておこなわれています。

ではこの2つは体でどのような働きをしているのでしょうか。
銅は、体の中で骨、骨格筋、血液を中心として成人で約80mg存在しています。
赤血球中のヘモグロビンという赤い色素は鉄を成分としていますが、銅はこのヘモグロビンをつくるため鉄を必要な場所に運ぶ役割をしています。このため鉄が十分にあっても銅がなければ、赤血球はうまくつくれないため貧血になってしまいます。
また、銅は体の中の数多くの酵素となって、活性酸素を除去するなどの働きをしたり、骨の形成を助けたりする役割もしています。食品では牡蠣、するめなどの魚介類、レバー、ナッツ、大豆、ココアなどに多く含まれています。日常の食生活において欠乏することはほとんどありません。
亜鉛は味覚を正常に保つのに働き、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。体の中に約2gあり、主に骨、肝臓、腎臓、筋肉に存在します。亜鉛は新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素を作る成分となるほか、タンパク質の合成や遺伝子情報を伝えるDNAの転写に関わっています。食品では魚介類(特に牡蠣・ウナギ)、肉類、藻類に多く含まれています。ダイエットなどで食事量が少ない状態が続いたり、偏った食事をしていると亜鉛不足になります。不足すると味覚障害や免疫力の低下につながるといわれています。
銅と亜鉛は拮抗(互いに効果を打ち消しあうようにはたらく事)する性質があります。つまり、血液中に亜鉛が多くある環境では、銅の吸収が抑制され、銅が多くある環境では亜鉛の吸収が抑制されます。

当クリニック(高輪)で今年になって銅と亜鉛を検査したデータ(86人)をみると
1.銅が基準値以上23.2%
2.銅が基準値以下は0%
3.亜鉛が基準値以上1.1%
4.亜鉛が基準値以下51.2%
5.銅が高く亜鉛が低い11.2%
(銅が高く亜鉛が基準値内でも基準値ぎりぎりの低値12%)
基準値(Cu:68~128㎍/dL  Zn:80~130㎍/dL)
*検査した半数で亜鉛が不足しており、その半数が銅とのバランスを崩しています。
*銅より亜鉛が少し多いほうがよいとされています。

亜鉛が不足するとどのような症状があらわれるのでしょうか
1.皮膚炎
2.脱毛
3.発育障害・低身長
4.味覚障害
5.性腺機能不全
女性では妊娠しにくいと言われています。男性の性腺の発達障害や機能不全が生じるとの報告もあります。
6.易感染性 
Th 1およびTh 2機能のインバランスを引き起こし、マクロファージ・好中球の機能,ナチュラルキラー細胞活性,補体活性を低下させると言われています。

銅と亜鉛の検査は採血でおこないます。
一度検査をして銅と亜鉛のバランスをみてみてはいかがでしょう。

高輪検査部:金子

参考文献

亜鉛欠乏症の診療指針2018(編集:一般社団法人 日本臨床栄養学会)

 http://jscn.gr.jp/pdf/aen2018.pdf

グリコ栄養成分百科

 https://www.glico.co.jp/navi/dic/index.html