不妊症というと、どうしても原因が女性にあると考えられがちですが、実は不妊の原因は男女半々だと言われています。
このページでは、当院が力をいれている男性不妊症やその治療法をご案内いたします。
精子ができるまでの過程
精粗細胞→第1精母細胞→第2精母細胞→精子細胞→精子(74日間かかって精子が形成されます)
精子は熱に弱いため、下記のようなことに気を付けることで不妊予防につながります。
あなたの精子を守るための10か条
- 禁煙
- ブリーフよりもトランクス
- 飲酒は適量に
- 長風呂、長サウナは控える
- 自転車・バイクに乗り過ぎない
- 放射線に要注意
- 育毛剤を飲まない
- 規則正しい生活
- 膝上でノートPCを使わない
- 禁欲しすぎない
問診・検査
泌尿器科の診察では、まず初めに問診をして生活習慣、今までの病歴、気になることなどをお伺いします。
そして精液検査の他に、基本的な検査を行います。基本的な検査項目は、視触診、超音波検査、ホルモン検査です。
また必要に応じて、染色体検査、AZF検査を行います。
診断
当院ではまず、精液検査を行なっていただきます。
正常な精液の目安は以下の通りです。
精液量 1.5 mL 以上
精子濃度 1500万個/mL 以上
精子運動率 40% 以上(うち8割が前進運動精子)
正常形態精子 4% 以上(=奇形率96%未満)
精液中白血球 100万個/mL 未満
色調 乳白色
精液検査によってわかる主な病名
- 乏精子症・・・・精子濃度が低い →受精率の低下
- 精子無力症・・・運動精子率が低い→受精率の低下
- 精子不動症・・・精子の運動率が0%
- 精子奇形症・・・奇形精子率が高い→受精率の低下
- 膿精子症・・・・白血球が多い →受精率の低下
- 無精子症・・・・精液中に精子が存在しない:
一般男性の100人に1人、不妊男性の5人に1人
当院で行っている男性不妊症の治療
男性不妊症にも、いろいろな種類があります。
(Ⅰ)無精子症
無精子症とは射出精液中に精子が極端に少ないか、全くない状態のことです。
一般に100人に1人の割合で無精子症の男性がおり、不妊治療中の患者様の中では5人に1人が無精子症です。
また、無精子症には、睾丸の機能が低く精巣内の精子の数が極端に少ない非閉塞性無精子症と、精子の通り道が詰まっている閉塞性無精子症があります。
当院では、男性の手術も局所麻酔を用いて行いますので日帰り手術となっております。
(Ⅱ)精索静脈瘤
静脈を縛り、精巣への血液の逆流をなくす手術を行います。
「乏精子症・精子運動率低下」の35%は精索静脈瘤が原因で、二人目不妊の78%は精索静脈瘤が原因です。つまり、精索静脈瘤は、精子の老化の最大の原因となっています。
精索静脈瘤手術は、精子のDNA損傷を減らし、人工授精・体外受精・顕微授精のためにも早期または婦人科治療と並行した精索静脈瘤手術がよいと考えられています。また、精索静脈瘤手術は、2018年4月から保険適用の手術となりました。
(Ⅲ)勃起障害・射精障害
男性が排卵日に計画的に夫婦生活を持つことにストレスを感じておこる症状です。
当院では、心理カウンセリングや投薬にて治療を行います。