無精子症とは射出精液中に精子がいない状態(男性不妊の約20%)
射出精液中に精子が極端に少ないか、全くない状態のことです。
一般に100人1人の割合で無精子症の男性がおり、不妊治療中の患者様の中は5人に1人が無精子症です。また、無精子症には、睾丸の機能が低く精巣内の精子の数が極端に少ない非閉塞性無精子症と、精子の通り道が詰まっている閉塞性無精子症があります。
当院では、男性の手術も局所麻酔を用いて行いますので日帰り手術となっております。
非閉塞性無精子症
- 無精子症の80%
- 精管(精子の通り道)は正常だが造精機能に異常がある
- 精巣の大きさが小さく、ホルモン値に異常がある
- 精子が存在する確率は約40-50%
原因
- 染色体の数的な異常:10% (クラインフェルター症候群など)
- 性染色体(Y染色体)の遺伝子異常・欠損:10%
- その他(精索静脈瘤):50%
治療の流れ
喫煙されている方は禁煙してください。
初診時肥満を指摘された方は運動により減量をしてください。
風邪、尿路感染などにより発熱、体力の消耗を起こさないように気をつけてください。
感染症検査、心電図検査、血液検査の他、染色体検査、遺伝子検査が必要になります。
手術前日に陰嚢の毛をはさみで短く切り、入浴してください。
手術前日の夜12時(午前0時)以降、手術終了までは絶飲食となり、手術当日の朝は一切飲んだり食べたりできません。
常備薬については少量の水で服用して下さい。
手術までに排便、排尿は済ませていただきます。
手術後は回復室で観察後お帰りいただけますが、遠方からお越しの方は必ず近隣のホテルに宿泊して下さい。
手術当日から翌朝にかけては、当院近隣ホテル(遠方からお越しの場合)または自宅で安静にして下さい。
翌日より日常生活は可能ですが、仕事はなさらないで下さい。
閉塞性無精子症
- 無精子症の20%
- 精管に異常があるために精子がいない
- 精巣の大きさ、ホルモン値はほぼ正常
- 精子が存在する確率は 約90-100%
原因
- 精管が生まれつきない
- 精管結紮(鼠径ヘルニアの手術時など)
- 精巣上体(精子の貯蔵部)の炎症